BoysLove’s blog

BL元年2019年、初心者のブログです。読後の感想を書いていますので、ネタバレです。できれば作品を読んだ後にどうぞ。

”花は咲くか”①〜⑤:日高ショーコ

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花は咲くか (1) (バーズコミックス ルチルコレクション)

花は咲くか (1) (バーズコミックス ルチルコレクション)

 
花は咲くか (2) (バーズコミックス ルチルコレクション)

花は咲くか (2) (バーズコミックス ルチルコレクション)

 
花は咲くか (3) (バーズコミックス ルチルコレクション)

花は咲くか (3) (バーズコミックス ルチルコレクション)

 
花は咲くか (4) (バーズコミックス ルチルコレクション)

花は咲くか (4) (バーズコミックス ルチルコレクション)

 
花は咲くか (5) 特装版 (バーズコミックス ルチルコレクション)

花は咲くか (5) 特装版 (バーズコミックス ルチルコレクション)

 

 日高ショーコ作品長編第二弾。

年の差モノということで、あまり食指が動かなかったのですが、ここまで日高ショーコ作品を読んでいましたので、今更読まないわけには行きません。

で、ポチッと。

 

”憂鬱な朝”に比べると、軽めのストーリーです。

内容が薄いっていうわけではなく、普通の恋愛ものなので、登場人物や状況をいちいちしっかり理解する努力をすることなく、ある意味気持ちよーく読み進めることができます。

 

桜井(38歳、社会人)と蓉一(19歳、美大生)の恋の話。

桜井はこれまでに男と付き合った経験なし。

蓉一は恋愛経験自体が全くなし。

 

19歳の年の差、男同士、ノンケ(桜井の方)、というハードルを全て越えての恋愛モノです。

 

まず19歳の年の差って、スゴいですよね。

作中に何度か桜井自身がこの年齢差を自問しますが、せめて相手が社会人じゃないと、本当に何を話すやらってなりますわね。

さらに、BLではおなじみの、片方はノンケで、そこを乗り越えるというハードルもありますが、そこは蓉一の美貌が越えてさせてしまいます。

 

BLでは繰り返し出てくる、「本来はストレート(ノンケ)だけど、コイツがあまりにもカワイイから好きになっちゃったよ」っていう宗旨替えですが、現実の世界ではほぼあり得ないことのようです。

BLを読み始めて、この設定があまりにも多いので、ゲイの友人に聞いてみましたが、「それは、ないでしょ」

とアッサリ返されました。

相手がゲイであるかは、ほぼ100%の確率で一目でわかるそうです。

で、ゲイ以外は最初の時点でそう言った対象からは外すと。

BLではその辺があまりにも違和感なくほぼ毎回登場するので、刷り込まれすぎないように注意が必要かもしれません。

 

まあ、マンガですから、楽しめれば良いんですけどね。

そこをあまり疑問視すると、BL自体が成り立たなくなってしまいますし。

 

恋はいつの間にか始まっていて、それに気づいて自分でも愕然とするという瞬間がありますが、桜井が蓉一に惹かれていることに気づいた瞬間のシーンが好きです。

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気づいちゃったよ。

自分でも驚くんですよね。

そして、急に相手がそれまでよりも一層可愛く(あるいはカッコよく)見えてしまうという。

「痘痕(アバタ)も靨(エクボ)」っていう状態に切り替わっちゃうんですよね。

あの、「好き好きフィルター」みたいなのって、どういう仕組みなんでしょうか。

脳で何かの物質が分泌されるんでしょうかね。

出会った時は何とも思ってなかったり、むしろ、コイツとはないでしょ、なんて思っていても、「好き好きフィルター」がかかると、もう世界一カワイイ(カッコイイ)ように見えちゃうっていう。

 

一方の蓉一ですが、非常に美しいです。

日高作品一番の美しさかもしれません。

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そんな目で見るなよ。

”憂鬱な朝”の桂木にちょっと似てます。

日高さん、この手の黒髪で顎の尖った美少年を描くのが上手です。

蓉一の方はおそらく元来ゲイなのでしょう。

最初から桜井が好きだったようです。

ただ、幼い頃に両親を奇妙な状態で失くしていることから、ちょっと性格的に変わったところがあります。

自分の感情を殆ど顔に出しませんし、周りとのコミュニケーションも殆どありません。

所謂コミュ障です。

 

蓉一、顔が美しかったから良かったものの、この性格で容姿が美しくなかったら、かなり頂けない人物です。

美貌はその辺りの性格的な問題を相殺してしまうんですねー。

 

自分からに閉じこもってしまい、感情もうまく表現できない蓉一には、桜井のように大人で落ち着いた相手が必要なのかもしれません。

 

桜井はやや枯れたような印象がいあり、普段は落ち着いた印象ですが、相手の合意が得られれば積極的です。

蓉一が好意を見せると、ガッツリとキスして押し倒したり。

お互いの気持ちを確かめてからは、きちんと色々(ローションとかコンドームとかでしょうか)購入して準備してますし。

セックスも段階を踏んで着実に進めていきます。

オトナです。

 

恋愛は実は年をとってからの方が良いことが多い、と私自身は思います。

色々経験があるから、何かとスムーズに進むんですよね。

「え、コレってどうなの?どうすればいいの?」っていうのがあまりないから、戸惑わずに楽しめるというか。

自分の気持ちも、若い頃よりもうまく説明できたりしますし。

 

しかし、この作品も本当に長期連載だったんですね。

2006年8月に開始して、最後が2015年1月。

9年越し?

日高さん、そして雑誌の連載を読んでいたファンの皆様、お疲れ様でした。

 

この作品の脇役も好きです。

特に、吉富さん菖太

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菖太、竹生、藤本の下宿人トリオ。いい感じです。

菖太は何気に桜井と蓉一のキューピット的な役割を果たしていますし、頭が良くてこまっしゃくれているけど、やっぱりまだコドモっていうところも可愛いです。

 

吉富さんは、何気にこの作品での隠れたいい男ですよね。

最後に園子さんと付き合うことになり、遅い春が来たという感じですが、付き合ったり結婚したりするなら、実は吉富さんのようなタイプが一番良いかもしれません。

顔は怖いし、男前ではないですが、人情家で料理上手。

 

日高ショーコさん、やっぱりいいですね。

いつものように、何度も何度も繰り返し読んでしまいました。