”花は咲くか”①〜⑤:日高ショーコ
花は咲くか (1) (バーズコミックス ルチルコレクション)
- 作者: 日高ショーコ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2013/08/01
- メディア: Kindle版
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花は咲くか (2) (バーズコミックス ルチルコレクション)
- 作者: 日高ショーコ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2013/08/01
- メディア: Kindle版
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花は咲くか (3) (バーズコミックス ルチルコレクション)
- 作者: 日高ショーコ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2013/08/01
- メディア: Kindle版
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花は咲くか (4) (バーズコミックス ルチルコレクション)
- 作者: 日高ショーコ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2014/07/31
- メディア: Kindle版
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花は咲くか (5) 特装版 (バーズコミックス ルチルコレクション)
- 作者: 日高ショーコ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2015/04/03
- メディア: Kindle版
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日高ショーコ作品長編第二弾。
年の差モノということで、あまり食指が動かなかったのですが、ここまで日高ショーコ作品を読んでいましたので、今更読まないわけには行きません。
で、ポチッと。
”憂鬱な朝”に比べると、軽めのストーリーです。
内容が薄いっていうわけではなく、普通の恋愛ものなので、登場人物や状況をいちいちしっかり理解する努力をすることなく、ある意味気持ちよーく読み進めることができます。
桜井(38歳、社会人)と蓉一(19歳、美大生)の恋の話。
桜井はこれまでに男と付き合った経験なし。
蓉一は恋愛経験自体が全くなし。
19歳の年の差、男同士、ノンケ(桜井の方)、というハードルを全て越えての恋愛モノです。
まず19歳の年の差って、スゴいですよね。
作中に何度か桜井自身がこの年齢差を自問しますが、せめて相手が社会人じゃないと、本当に何を話すやらってなりますわね。
さらに、BLではおなじみの、片方はノンケで、そこを乗り越えるというハードルもありますが、そこは蓉一の美貌が越えてさせてしまいます。
BLでは繰り返し出てくる、「本来はストレート(ノンケ)だけど、コイツがあまりにもカワイイから好きになっちゃったよ」っていう宗旨替えですが、現実の世界ではほぼあり得ないことのようです。
BLを読み始めて、この設定があまりにも多いので、ゲイの友人に聞いてみましたが、「それは、ないでしょ」
とアッサリ返されました。
相手がゲイであるかは、ほぼ100%の確率で一目でわかるそうです。
で、ゲイ以外は最初の時点でそう言った対象からは外すと。
BLではその辺があまりにも違和感なくほぼ毎回登場するので、刷り込まれすぎないように注意が必要かもしれません。
まあ、マンガですから、楽しめれば良いんですけどね。
そこをあまり疑問視すると、BL自体が成り立たなくなってしまいますし。
恋はいつの間にか始まっていて、それに気づいて自分でも愕然とするという瞬間がありますが、桜井が蓉一に惹かれていることに気づいた瞬間のシーンが好きです。
自分でも驚くんですよね。
そして、急に相手がそれまでよりも一層可愛く(あるいはカッコよく)見えてしまうという。
「痘痕(アバタ)も靨(エクボ)」っていう状態に切り替わっちゃうんですよね。
あの、「好き好きフィルター」みたいなのって、どういう仕組みなんでしょうか。
脳で何かの物質が分泌されるんでしょうかね。
出会った時は何とも思ってなかったり、むしろ、コイツとはないでしょ、なんて思っていても、「好き好きフィルター」がかかると、もう世界一カワイイ(カッコイイ)ように見えちゃうっていう。
一方の蓉一ですが、非常に美しいです。
日高作品一番の美しさかもしれません。
”憂鬱な朝”の桂木にちょっと似てます。
日高さん、この手の黒髪で顎の尖った美少年を描くのが上手です。
蓉一の方はおそらく元来ゲイなのでしょう。
最初から桜井が好きだったようです。
ただ、幼い頃に両親を奇妙な状態で失くしていることから、ちょっと性格的に変わったところがあります。
自分の感情を殆ど顔に出しませんし、周りとのコミュニケーションも殆どありません。
所謂コミュ障です。
蓉一、顔が美しかったから良かったものの、この性格で容姿が美しくなかったら、かなり頂けない人物です。
美貌はその辺りの性格的な問題を相殺してしまうんですねー。
自分からに閉じこもってしまい、感情もうまく表現できない蓉一には、桜井のように大人で落ち着いた相手が必要なのかもしれません。
桜井はやや枯れたような印象がいあり、普段は落ち着いた印象ですが、相手の合意が得られれば積極的です。
蓉一が好意を見せると、ガッツリとキスして押し倒したり。
お互いの気持ちを確かめてからは、きちんと色々(ローションとかコンドームとかでしょうか)購入して準備してますし。
セックスも段階を踏んで着実に進めていきます。
オトナです。
恋愛は実は年をとってからの方が良いことが多い、と私自身は思います。
色々経験があるから、何かとスムーズに進むんですよね。
「え、コレってどうなの?どうすればいいの?」っていうのがあまりないから、戸惑わずに楽しめるというか。
自分の気持ちも、若い頃よりもうまく説明できたりしますし。
しかし、この作品も本当に長期連載だったんですね。
2006年8月に開始して、最後が2015年1月。
9年越し?
日高さん、そして雑誌の連載を読んでいたファンの皆様、お疲れ様でした。
この作品の脇役も好きです。
特に、吉富さんと菖太。
菖太は何気に桜井と蓉一のキューピット的な役割を果たしていますし、頭が良くてこまっしゃくれているけど、やっぱりまだコドモっていうところも可愛いです。
吉富さんは、何気にこの作品での隠れたいい男ですよね。
最後に園子さんと付き合うことになり、遅い春が来たという感じですが、付き合ったり結婚したりするなら、実は吉富さんのようなタイプが一番良いかもしれません。
顔は怖いし、男前ではないですが、人情家で料理上手。
日高ショーコさん、やっぱりいいですね。
いつものように、何度も何度も繰り返し読んでしまいました。