BoysLove’s blog

BL元年2019年、初心者のブログです。読後の感想を書いていますので、ネタバレです。できれば作品を読んだ後にどうぞ。

”囀る鳥は羽ばたかない”①〜⑥:ヨネダコウ

 

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囀る鳥は羽ばたかない(6) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

囀る鳥は羽ばたかない(6) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

 
囀る鳥は羽ばたかない 1 (HertZ&CRAFT)

囀る鳥は羽ばたかない 1 (HertZ&CRAFT)

 
囀る鳥は羽ばたかない(5) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

囀る鳥は羽ばたかない(5) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

 
囀る鳥は羽ばたかない 4 初回限定小冊子付 (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

囀る鳥は羽ばたかない 4 初回限定小冊子付 (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

 
囀る鳥は羽ばたかない(3) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

囀る鳥は羽ばたかない(3) (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

 
囀る鳥は羽ばたかない 2 (H&C Comics  ihr HertZシリーズ)

囀る鳥は羽ばたかない 2 (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

 

 そして、やっちゃいました。

ヨネダコウの長編&未完作品に手を出してしまいました。

せめて、完結していて欲しかった。。。

これで、首を長〜くして新刊を待つ、と言うあの苦行をしなければいけなくなりました。

人気作家になると、締め切りとかに融通が利くようになるのでしょうかね。

もう次巻が今年中に発売されることはまずないでしょうし、これだけの大作となると来年中も怪しいほどです。

 

”憂鬱な朝”でもそうでしたが、作家さんが成長し、大作を書くようになると、読む方も気軽に楽しむことはできなくなりますよね。

もはや、1冊を20分ほどで読み上げて、「ふー、楽しかった」と言うようなわけにはいきません。

 

ストーリーも込み入っていますので、登場人物の顔と名前をしっかり覚えつつ、内容をしっかり把握しながら読み進めなければなりません。

 

ヤクザモノですから、組同士の争いや、各登場人物の勢力争い、それぞれの思惑なんかも理解しつつ、と。

 

ヤクザの中堅どころの幹部(若頭だそうです)、矢代(幼少期の義理の父親からの性的虐待によりドM、美貌)に、百目鬼(読み方:どうめき、元警察官)が惚れる話。

 

最初は矢代が影山(矢代の思い人、高校時代の同級生)に美少年チンピラの久我をあてがうところから始まります。

 

影山と久我の恋路に結構なページ数を割いているので、この後も影山と久我が主要な登場人物として話が進むかと思いきや、違うんですよね。

2巻以降は矢代と百目鬼の話。

影山は医者なので治療のたびに登場しますが、久我は存在感が薄いです。

久我の人物としての魅力を考えると、もっとでてきても良いと思うのですが、後々大きな役割を担うんでしょうかね。

 

矢代はあれです、”NightS”の間崎の進化版ですね。

間崎をさらに淫乱(と言うか、変態)にして、屈折させたような。

間崎は職業は麻薬取締捜査官でマトモでしたが、矢代はヤクザですから。

 

まずあり得ないと思いますが、仮に実写化するとしたら、矢代を演じられる俳優ってちょっと居なさそうです。

(アニメ映画化されるそうですが、どこで公開されるんでしょうか。普通の映画館では先ず放映できなそうですが。)

矢代は淫乱で変態ですが、下品ではなく、むしろある種の品格さえあります。

軽さを装っていますが、実は頭も相当良く、こういった人物の魅力を書き出すヨネダコウさんの力量は、さすがと言うしかありません。

矢代を生み出してくれて、ありがとう!

そして、作中でも結局のところみんなが矢代に惚れてるんですよね。

 

そして、お相手役の百目鬼はこれがまた、BLの相手方として究極のキャラクターかもしれません。

まず、カラダがいい。

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この裸はヤバいでしょう。

190センチ以上あるそうです。

こんなの見せられたら、ムラっときますよ。

しかも、ブリーフ履きも見せつつ。

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このブリーフがまた。

百目鬼、気が利かない朴訥な性格のはずなのに、何気にかなり大胆に誘ってます。

口下手ですからね。

「俺の凄いカラダ、先ずみろ!」

ってなもんです。

(異性愛同士の)女性が男性の目の前で素っ裸になるようなもんですからね。

矢代はここで完全に欲情したと見ます。

(まー、それまでもずっと百目鬼とやりたかったんですけどね)

 

そして、このあとの5巻のセックスシーンは圧巻です。

深く深く傷ついてしまった矢代の心をこじ開けるのは、こういったセックスだ、というのが実にリアルに絶妙に表現されています。

これまでは、どんな乱れた姿を見られてもぜーんぜん恥ずかしくなかった矢代が、ここで初めて恥じらい戸惑いを見せます。

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Tシャツを脱ぐ百目鬼。ヤバし。

そして、百目鬼のあまりにも真っ当で愛のあるセックスによって、矢代の心の扉が開かれてしまうのですが、ここの描写も見事です。

「ああ」

「どうして今」

気付いちゃったんでしょうね。

本当は凄く痛かったってことに。

痛みを痛みとして受け入れず快楽にすることで、脇へ逸らして自分を保ってきたわけですから。

5巻の大部分がこの二人の初めてのセックスに割かれていますが、この物語の大きな山場であり、BLヨネダコウファンとしては、待ちに待ったシーンをこんなにタップリと描かれて、至福と言ったところでしょうか。

 

でも、この長ーいセックスシーンは、もはやエロではないような気がします。

むしろ、愛のあるセックス(言葉にすると陳腐ですが)とは一体どういうことなのかを描き出しているとでも言えばいいのでしょうか。

「キモチよさそう♡」と言った類のセックスでは決ありません。もはや。

 

6巻では矢代は百目鬼を拒否します。

「こいつを受け入れたら」

「俺は俺という人間を手放さなきゃならない」

 

それですよね。

自分が成り立たなくなっちゃうんですよね。

 

さて、6巻まで読んでしまいました。

これから「待ち」という長ーい苦行が始まります。